海外移住先NO.1のマレーシアのビザについて
10年連続で日本人の住みたい国No.1であるマレーシアですが、マレーシアは年間を通して過ごしやすい気候、日本の物価の1/3であること、長期滞在ビザが取りやすいことから、人気の国ひとつとなっています。
そのマレーシアのそれぞれのビザについての特徴や条件、申請方法について簡単にご紹介していきます。
マレーシアはビザなしでも入国できる?
まず結郎から申し上げると、滞在期間が90日以内であればビザは不要です。ただし入国時には6ヶ月以上のパスポート有効期限があり、かつ日本帰国への航空券や別の国への航空券の照明が必要となります。
そもそもご存知の方が少ないと思いますが、日本のパスポートは世界で最も信用されているパスポートで、2020年時点で191カ国にビザなしで入国ができるようになっています。
実はこれは世界でNo1です。つまり他の国の人たちはたとえ観光目的であったとしてもビザの取得が必要になるケースがあり、その度に申請と手数料を支払わらなければいけない等、日本のパスポートと比べても明らかに非効率であります。あまり意識したことなかったかもしれませんが、生まれながらにして日本人は世界からの信頼を得ており、ことパスポートにおいては世界最強です。
なお多くの場合、ビザ不要で滞在できる期間は90日と定められており、その期間以内であれば何もする必要はありません。
マレーシアのビザの種類
マレーシアには大きく分けて以下の6カテゴリー・11種類のビザがあります。
・短期訪問ビザ
・就労ビザ(6種類)
・学生ビザ
・配偶者ビザ
・MM2H
・永住権
それでは一つずつ紹介をしていきましょう。
マレーシアで使えるビザの紹介
短期訪問ビザ
滞在期間が90日以内で観光目的の場合はビザは免除となりパスポートだけで入国ができます。他にも外交・公用、業務目的であれば訪問もできます。
出入国を繰り返し行う場合は、1年以内に最長で180日まで滞在ができます。ただ最近は2回目の入国で90日の滞在許可が出ずに30日に短くなるケースもでていきているようです。
マレーシアの入国条件
・90日以内の滞在で観光、業務、外交・公用目的であること
・有効期限が6ヶ月以上のパスポート
・日本帰国の航空券、もしくは別の国への航空券を所有していること
就労ビザ
就労ビザはいくつか種類があり、それぞれのビザによって条件が異なってきます。就労ビザの中でも6種類を紹介していきます。なお全般的に就労ビザを申請する場合には仕事に関連した職歴が必要です。そうでなければ却下されることもありますので、英文履歴書において仕事に関係のある内容を強調するように書きましょう。
雇用パス
マレーシアで一般的な就労ビザで、雇用主から外国人に対して発給されます。雇用パスの取得には、最低月額給与(5,000MYR)、雇用契約期間、最低払込資本などの要件があります。
カテゴリ 月額給与 雇用期間 家族帯同の可否 メイド雇用
カテゴリ | 月額給与 | 雇用期間 | 家族帯同 | メイド雇用 | 更新 |
カテゴリーⅠ | 5,000MYR以上 | 2年以上 | 可 | 可 | 更新時に考慮 |
カテゴリーⅡ | 5,000MYR以上 | 2年未満 | 可 | 可 | 更新時に考慮 |
カテゴリーⅢ | 2,500-4,999MYR | 1年以下 | 不可 | 不可 | 2回まで |
最低月額給与について
月額最低給与は表に記載の通り5,000MYRですが、申請者のパスポートの有効期限が最低18ヶ月必要となります。特に年齢制限等はなく、更新時には納税証明書の提出を行います。
カテゴリーⅢでビザを発行する場合には、内務省から許可を得る必要があります。
最低払込資本とは
雇用主がビザを発行するには、その資本の種類、業種によって異なってきます。
- 100%ローカル資本の場合 25万MYR
- ローカルと外資の合弁の場合 35万MYR
- 100%外資の場合 50万MYR
- 外資51%以上の流通・サービス取引を行う企業と外国人が所有するレストラン:10万MYR
- 外資が参入している企業で重要ポストを占める外国人の雇用パスを申請する場合:50万MYR
ビザ申請の際に必要なもの
・ビザ申請書2部
・雇用契約書
・パスポート写真2枚(カラーのもので3ヶ月以内に撮影されたもの)
・パスポート原本
・パスポートコピー
・最終学歴の英文卒業証明書
申請方法
雇用パスは原則として雇用主が行います。新規も更新の際もオンラインで申請が必須となります。また外資系企業の場合は、コンサルティング企業と契約して発給手続きを代行してもらうこともあります。発行までは1ヶ月から長い人だと1年かかる場合もあります。
なお申請条件としては現地採用が決まっていることです。
レジデンスパス
国家重要経済分野において、外国人の優秀な人材をマレーシアに誘致する目的で2011年から導入されたものです。こちらも申請はオンラインで行うことができます。レジデンスパスを取得した方は以下のメリットがあります。
・マレーシアに最長10年の就労・滞在が可能
・就労先が変わっても更新の必要がありません
・配偶者及び18歳未満の家族もパスの申請が可能となり、配偶者も就業することができます
・18歳以上の同伴家族、両親、義理の両親も5年の滞在ビザの申請ができます
申請方法
以下のサイトから行えます。
Talent Corporation Malaysia Bhd:
プロフェッショナルパス
プロフェッショナルパスは、マレーシアの国外企業に籍を置いたまま、マレーシア国内のプロジェクトの技術指導等の業務のために1年未満の短期滞在をする就労者に発給されます。滞在期間や日程が決まっていることが多いです。
申請に必要なもの
・申請書類
・パスポート原本
・パスポート写真
・マレーシア国内の保証人による保証書
・マレーシアでの活動予定表
申請方法
こちらのパスも原則として雇用主が行います。申請する会社は理由を記載したカバレターを用意してマレーシア国内の保証人の保証書を添えて、申請を行います。なおパスで認可された活動のみ行うことができ、家族の帯同は認められていません。
雇用パスを取得している駐在員の配偶者・子供の滞在ビザ(Dependent pass)及び就労許可
駐在員の雇用パスを取得できると、帯同する家族は滞在ビザ(Dependent pass)を申請することが可能となります。なお学童の就学にはこちらのパスに加えて就学許可の取得が必要となります。配偶者が就労する場合はこのパスだけあれば就労が可能となります。
滞在可能日数は、駐在員の雇用パスの有効期間と一緒になります。
申請に必要なもの
・ビザ申請書
・パスポート原本
・パスポート写真
マレーシア人の外国人配偶者の就労許可
マレーシア人の配偶者である外国人の人が就労許可をもらう場合に申請をします。配偶者として1年以上の長期滞在ビザを取得することが条件となります。なお長期滞在ビザは最長5年間の許可を得ることができます。
外国人配偶者の場合だと、年齢や給与の最低限度、職位等の基準は適用されません。
一時就労パス
給料が日本で支給される短期滞在者が対象となるパスです。出張や研修時に申請することができ、滞在可能日数は1年以内となります。
学生ビザ
これまで欧米諸国への留学が多かったのですが、費用面や生活の物価が安価であり、かつ公用語が英語ということもあり、マレーシア留学が人気を得ています。90日以内の留学であれば、ビザの申請の必要はありません。学生ビザは、留学をサポートしてくれるエージェント経由でも、個人でも取得は可能です。なお学生ビザの取得方法や条件については学校によって異なるので、留学先を決めたら、それぞれの学校に必ず確認しましょう。他の国と違うのは、シングルエントリービザで入国した後に学生ビザを受け取ることになります。な
学生ビザ取得方法
1.まず留学先の学校を決めて、書類を提出します。
2.入学許可が得られたら、学費を支払います。
3.学校がマレーシア政府にビザの申請を行います。
4.無事認可がおりれば、学校からビザ承認レターが届けられます
5.駐日マレーシア大使館にてシングルエントリービザの申請を行います。
6.新グルエントリービザを取得します。
滞在可能日数
1年間ですが、延長手続きが行え、最長2年間です。
就労も可能で週20時間まで働くことができます。
ビザの条件
・年齢は18~35歳までとなっています。ただ学校によっては年齢制限が設けられていないものもあります。なお指定の保険に加入することが義務付けられています。
配偶者ビザ
マレーシア国籍の人と結婚すると長期滞在ビザが発行されます。毎年更新を行っていき、5年を経ると永住権の申請資格を得ることができます。なおイスラム教徒のマレー人と結婚した場合にはイスラム教に入信する必要があるようです。現地の結婚登録局に届け出をして結婚証明書を取得します。日本大使館への提出は結婚証明書の店舗を行いましょう。
永住権
滞在期間が5年以上、かつ税金を年間7,500MYR納付していることが申請の最低条件となります。特に職業による指定はありません。
永住権は滞在期間は無制限となりますが、選挙権は認められていません。マレーシアの永住権の取得は非常に難しいとされています。マレーシア人と結婚した配偶者ですら在住10年を超えているにもかかわらず、30年かかるケースもあるようです。
MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)
最後は人気のMM2Hというビザです。近年マレーシア政府によって推進されている外国籍の長期滞在ビザプログラムです。一般的にはリタイア後に取得する人が多いのですが、もちろん50歳未満でも申請することができ若い世代の申請が急増しています。
MM2Hは日本人だけでなく、アジアや欧米人にも人気の、最長10年間の滞在が可能となるビザです。滞在期間中は何度でも行き来ができ、滞在義務もありません。条件次第では週20時間以内で働くことも可能で、移民局の許可が降りれば、さらに10年の更新をすることができます。
申請方法
個人でのオンライン申請も可能ですが、複雑であるためビザ代行業者に依頼するのが一般的です。安ければ1家族で20万円程度の手数料で申請が可能ですが、必ず一度マレーシアに訪れる必要があります。
・個人、もしくは代行業者に依頼をしてオンラインにてマレーシア・マイ・セカンドホームセンターに申請を行います。
・仮承認レターが発行されます。(これまでは3ヶ月程度で承認がおりましたが、今は1年かかるともいわれています)
・本申請のためにマレーシアに訪問します。本申請後に健康診断、銀行の口座開設、保険加入を行います。
申請条件
50歳未満
・最低50万MYR以上の財産証明と月額1万MYRの収入証明
・仮承認後に、30万MYRをマレーシアの金融機関に定期預金口座を開設
50歳以上
最低35万MYR以上の財産証明と月額1万MYR以上の収入証明、または年金証明
・仮承認後に、15万MYRをマレーシアの金融機関に定期口座を開設
マレーシアビザに関するFAQ
マレーシアでビザランはできる?
ビザランとは、決められた滞在期間にて一度出国し、また再入国して滞在期間を延長する方法のことを指します。新興国ではこのような方法を取ることもできるのですが、近年規制が厳しくなってきています。
マレーシアの場合、90日が滞在できる期間ですが、一度出国して入国した場合、滞在日数が2週間や1ヶ月に短くなることもあるようです。年間に180日以内である必要があるとネットでは書かれているようですが、どうもあくまでも目安ということだそうです。ただいずれにしても長く滞在する場合には、上記のようなMM2Hを申請したほうが間違いなく無難です。
中国人とインド人だけeNTRIビザが可能
全くの余談ですが、マレーシア政府は中国とインド観光客に対して需要喚起のためにeNTRIビザという電子ビザを発給しています。
これからマレーシアに移住を検討しているなら
マレーシアは移住先として10年連続No.1であるのは、安定した気候や物価の安さ、日本人の口にあう料理と、生活の基盤を築きやすいためであると言えます。
また近年ではSOGOや伊勢丹をはじめとしたデパートやAEONが展開されており、日本の食材も手に入れやすくなっています。時差も1時間しかありませんので、初めての海外移住や留学を検討している方にはおすすめの国です。
ご紹介した内容を吟味していただき、移住先の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。