子供のプログラミング学習の始め方と気をつけておきたい点

2020年はプログラミング元年

2020年はプログラミング元年

2020年から小学校ではプログラミングが必修化されます。その影響もあり、プログラミングを学ばせたい親が急増しています。なんと2017年に実施された、保護者が子供に通わせたい習い事ランキングの1位にプログラミング教室がランクインしています。
ただ保護者の多くはプログラミングを学んだことがないため、人によってはプログラミングと聞くだけで難しそうというイメージが先行し、どうやって学び始めればいいのかわからない方が多いかもしれません。

実のところ、私自身も知り合いから多くの質問をいただきます。
「プログラミングに興味はあるけど、何から始めさせたらいいかわからない」
「プログラミングって難しいんでしょ?」
「ここのスクールの評判はどうなの?」
「お勧めのプログラミング学習方法は?」
といった声が多いので、本記事では今後子供にプログラミングを学ばせたいと思っている方々向けに、プログラミングを学ばせる上での学習方法や気をつけなければいけないポイントをご紹介していきたいと思います。

そもそもプログラミングを学ぶ必要性は?

この記事を見ている時点で、すでになぜプログラミングを学ぶことが重要なのかご存知の方が多いと思いますので、必要なければ読み飛ばしてください。
そうでない方のために簡単に解説しておきます。

1.問題解決能力が身に付く

「プログラミングを学ぶ=ITスキルを身に付けること」であると勘違いされることが多いですが、ITスキルそのものはそこまで重要であると考えていません。
というのも、プログラミングを学ぶことで「問題解決能力を身に付けられること」が遥かに重要であり、このスキルこそが、未来を予知できない現代において普遍的なスキルといえます。
そして問題解決能力を身に付ける手段として、「プログラミングを学ぶ」ことが最も効率的な手段であると思っています。その最大の理由は、プログラミングを学ぶ学習プロセスが、算数や国語、社会のような学習方法と違って、”答えがない(答えが複数存在)”からです。
答えありきだとどうしても、いかに暗記力や効率的に学べるかどうかが重要ですが、答えがないと、その問題解決のための創造力や解決能力そのものが必要されます。

2.創造力が身に付く

プログラミングを学ぶと、消費者側から創造者側への道ができます。例えば、何も考えずに便利なアプリを使うのか、それとも人に役立つアプリを作るのかでは雲泥の差があります。
そしてインターネットやITが発展することによって、これまでよりも格段に早く・安く問題解決のためのコストが下がりました。どういうことかというと、プログラミングさえ学べば、PC1つあれば、たった1人でアプリを作成できます。また作ったアプリはApple StoreやGoogle Playを通じて、全世界70億人にアプローチする手段があります。10数年前だったら考えられないことです。
すると、例えば両親の悩みや問題を解決しようと思って作ったアプリが、実は世界でも同じような問題を抱える人にとっても役立つことができます。

プログラミングを学ぶことで、子供の視点を広げ、そして創造力を養うことにつながると思っています。

プログラミングを学ぶ方法

プログラミングを学ぶ方法

プログラミングを学ぶ方法は様々です。大きく分けて以下の方法があります。
そしてそれぞれの手段は、子供の年齢によって選択肢が異なってくると思ってください。

①PCやアプリを使わないゲームでプログラミングを学ぶ
②おもちゃでプログラミングを学ぶ
③アプリでプログラミングを学ぶ
④プログラミング教室に通う

①PCやアプリを使わないゲームでプログラミングを学ぶ

①PCやアプリを使わないゲームでプログラミングを学ぶ

プログラミングというとPCやスマホを使って学習するものと思われがちですが、実はそんなことはありません。海外ではこの方法が学校の授業でも多く取り入れられており、主流の学び方です。また親子で遊びながら学べることができるのでプログラミングを初めて学ぶ子供にとっては一番慣れやすいと思います。

対象年齢

4歳から

予算感

ほとんどかかりません。ゲームによっては多少かかります。

②おもちゃでプログラミングを学ぶ

②おもちゃでプログラミングを学ぶ

おもちゃを使って学ぶ方法もあります。いわゆるプログラミングロボットやおもちゃを使って学ぶ方法がこちらです。この方法は、ロボットやおもちゃに動きがあるので子供にとってわかりやすいのが特徴です。一方で学習用に設計されているものが多いので、良くも悪くも、機能が限定されているおもちゃが多く、学び方を工夫しないとすぐに飽きます。ですのでコスパはいいとは言えません。
一方で本格的に学べるロボットもあるので、そういうものは学習深度が深く、一見値段が高くても、総合的なコスパは良いです。

対象年齢

4歳から(ただし多くの場合小学生以降)

予算感

ピンキリですが、数千円のものから数万円まであります。

③アプリでプログラミングを学ぶ

③アプリでプログラミングを学ぶ

毎年、本当に多くの学習用アプリが出ており、無料で学べるものも多くあります。タブレットを使えば小さな子供でもスムーズに学習を進められます。対象年齢も4歳からできるものがあるので、幅広いです。デザインも凝っているものが多いので、子供でもすぐになじめるでしょう。①のPCやアプリを使わないゲームで学ぶ方法と同様にコスパが高いです。

対象年齢

4歳から

予算感

ほぼ無料で学べる。有料のものもあるが、数千円程度。

④プログラミング教室で学ぶ

④プログラミング教室で学ぶ

近年プログラミング教室は増えてきており、対象年齢も幼稚園から中学生までを対象としており、学習環境は整ってきています。親子で学ぶことはせずに、プロに任せて時間を節約したい場合はコスパがいいと思います。

対象年齢

4歳から(ただし小学生からがオススメ)

予算感

月額1万円以上

どの学習方法がオススメか?

プログラミング学習を始める手順

子供の年齢にもよるかもしれませんが、まずは①親子でPCやアプリを使わないゲーム、②アプリを使ったプログラミング学習から始めるのがオススメです。
そもそも子供がプログラミングに興味を持つかわからないからです。

その後興味を持つようでしたら、②おもちゃを購入してプログラミングを学んだり、④プログラミング教室に通うことを視野にいれてもいいかもしれません。

親子でプログラミングに興味を持つのが大事

結局何を重視するのか次第ですが、個人的には、最初は親子で学ぶことがとても重要だと思っています。というのも英語教育のように失敗してしまうからです。

日本人のほとんどは英語にコンプレックスを抱えており、親は子供には英語を学ばせたいと思って英語教室に通わせているわけですが、ほとんどの親が英語が喋れません。子供から見れば、なぜ親が喋れないのに、自分だけが学ぶのか必要性が見出せないわけです。いつか海外で活躍したい!といったように必要性に迫られていればいいですが、そんな意識の高い子供はいないと思った方がいいです。
絶対、子供は親の背中をみて育ってしまうからです。


ずっと一緒にプログラミングを学べとは思いません。まず最初のプログラミングの楽しさを覚えてくるまでは一緒に学んでみて、もし子供が気にいるようであれば、他の教材や学校に通わせるといったことがいいと思っています。
もし子供が最初からプログラミングに興味津々で、動機付けがされているのでしたら、学習環境を用意してしまうのは問題ないと思います。

プログラミング学習において気をつけたいこと

親子で一緒にプログラミングを学習する

自分はプログラミングできないけど、子供にはやらせたいと思っている時点で、教育は失敗しやすくなります。これは別にプログラミングに限ったことではないかと思います。プログラミング学習の最大の特徴は、勉強ではなく、解決能力や創造力を身に付けられることです。これらの力を身に付ける上で大切なのは、それを楽しめるかどうかに限ると思います。
ですから、子供が楽しめるように親がサポートしてあげることが大事です。

最初からお金をかけない

プログラミング学習をやろうと意気込んで、ロボットやPC、タブレットなど学習環境を先に用意してしまいがちなのですが、前述の通りプログラミングを学ぶ方法は様々あります。まずは無料アプリやゲームを利用して、プログラミングを楽しむことから始めるのをオススメします。
100歩ゆずって、タブレットやスマホ、PCであれば他にも使い勝手がありますが、おもちゃやロボットは正直それ以外の使い道がありません。
おもちゃやロボットは学習用途で設計されているので、使い方がわからないとただの宝の持ち腐れとなりますので、注意しましょう。

まずは気楽に始めて、辞める勇気も必要

英語と一緒で親が張り切って、子供はついてこれてない場合もあります。まずは子供が興味を持ってもらい、学習を楽しんでもらうことが大事です。
またプログラミングはいつでも始めることができます。一度プログラミングを学んでみて子供が興味を持たなかったり、学習がうまくいかなくても心配する必要はありません。あるきっかけでプログラミングに興味をもつかもしれませんし、またプログラミング学習は長くやることよりも、楽しめることが重要なので、まずは親子で楽しめそうなものから気楽に始めてみることをおすすめします。

プログラミング学習に関するQ&A

プログラミングって難しいの?

プログラミングは難しいとは思いません。また子供向けにはビジュアルプログラミングが活用されているため、PCに向かって英語の文字列を記入することはありません。
またプログラミングは、よく料理と似ていると例えられることがあります。料理のレシピを考えたり、他の人のレシピを使って手順通りに料理したり、冷蔵庫の材料をベースに料理を作ったりするといったことがプログラミングと似ています。

ビジュアルプログラミングってなに?

ビジュアルプログラミングとは、画像のように、プログラミングに必要な機能をパーツ化することで、それらを組み合わせたりすることでプログラミングを組めるようにしたものです。文章を書く必要がないので、子供向けのプログラミング教育には取り入れられています。

親子でプログラミングをはじめよう

プログラミング学習の必要性やその学習方法についてご紹介してきました。
繰り返しになりますが、プログラミング教育は親子で楽しむことから始めるのが非常に重要です。他の勉強方法とは違い、創造力や問題解決能力を養うからです。答えありきの教育であれば、ただ頑張ればいいですが、答えがない場合は楽しめないと創造力が生まれてこないです。
ぜひ親子で楽しみながらプログラミング学習をスタートしてみてください。

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